なぜ,国産バニラビーンズなのか?
バニラを始めとする,香辛料(スパイス)は熱帯地域を中心とする海外から輸入されます.その多くは,現地の自然環境下で管理され日本に送れます.インフラが十分に整備されていない現地では十分な衛生環境が保たれているとは言えません.また,長距離の輸送過程でのカビや細菌いよる汚染の危険もあります.
私たちは,その危険性を回避するために,国内で生産することが有効だと結論しました.
バニラの場合,細菌やカビの汚染を抑えるため,乾燥処理がされます.これがキュアリングと呼ばれる発酵過程と一対になって行われているのです.乾燥させることは,バニラの寿命を延ばすことに効果があります.しかしその一方で失われる香りは大きな代償と言えるでしょう.
私たちの国産バニラは,そのような乾燥過程を最小限にとどめ,新鮮さをキープしたままお届します.
世界のバニラ栽培1
より良いバニラ生産を目指し,海外の産地の視察を行っています.
いくつかの産地の栽培状況を紹介します.
1.インドネシア
現在,マダガスカルを抜いて世界一の生産量を誇ります.ロンボク島を視察した時の風景です.
バニラ栽培は,森林複合農業です.コーヒー,カカオ等とともに栽培されています.大きなプランテーションもありますが,訪れた農園は小規模な農家.村には多くのバニラ農家があり,共同で栽培されています.
現在,Fusarium病害が広がり深刻な問題になっていました.
世界のバニラ栽培2
次に紹介するのはフランス領ポリネシア.
タヒチアンバニラと呼ばれますが,今日ではタヒチヌイではなく,タハア島で栽培されています.
2.タヒチ 世界品質を目指して
紹介するのは政府の施設.品質向上のために様々な取り組みがされ,その成果が出ています.日本でもタヒチアンバニラが好まれて使われる理由は,こうした,政府の取組の効果です.最も,タヒチアンバニラは,マダガスカルをはじめとする他のバニラと基本的に種が違う点も魅力です.
世界のバニラ栽培3
次に紹介するのはニューカレドニアのバニラ.栽培の歴史は比較的新しく1985年.生産量は少なく,ほとんどが島内消費です.現在,島の産業として,オーストラリアや日本への輸出が検討されています.今後,日本国内で見る機会も増えるかもしれません.
3.ニューカレドニア
ニューカレドニア本島(グランドテール)ではなくロイヤリティー諸島のリフー島で栽培されています.基本的には,他の生産地と同様,森林複合農業で,約120軒の農家が栽培しています.他の産地と比べて,亜熱帯気候の性でしょうか,生産性が低いのが少し気になります.
世界のバニラ栽培4
本来は,世界で最も評価の高いマダガスカルやレユニオン,本来の原産国のメキシコを紹介すべきですが,あえて私たちの日本の紹介をします.
4.日本
2012年現在,商業的に栽培している農家はミワズガーデンを含めて5軒.すべて沖縄本島と九州にあります.バニラは森林複合農業が世界の主流ですが,日本ならではの園芸農家で丹精込めて栽培しています.近年注目度もアップし,今後生産量の増加が期待されています.